見てる

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 ようやく抜けた。するとなんと日溜まりの中、ぽつんとあった。彼氏さんの家のお墓。先祖代々のお墓。私はもう魂が抜けている。 「さぁ、報告しないとね。結婚するって」 「う、うん……そうなんだけどぉ……」  しかし……目の前には腕組みしたなんか怖いお義父様が見える……。それも睨まれてる気がする……。  ──えっ!? も、もしかして結婚反対されてる? 私、反対されてる??──  もう、こうなったら手段を選べない!! 後ろを振り向く……。ボディガードもさっと目を背け私と目を合わせず怯えてる。  ──おいっ、そっぽむくなぁぁぁ!! お前は親と名のつくものに弱いのかぁぁぁぁ!?──  そうだ、いつも膝の上を貸しているんだ! キャットフードも猫缶もあげてるんだ。猫缶はたまにだけどぉぉ。恩があるだろぅ! 猫又の手も借りたいんだ! ボンを見るっっっ!  ──何んで尻尾を丸めて縮こまって目を反らすぅぅっっ!? それにお腹見せて参ったサインだしてるぅぅぅ!── 「どうした?」  彼氏さんが優しく語りかける。 「親父も喜んでるさぁ……」 「そ、そうなの……?」  もう一度ちらっとお義父様の顔を見る……。 「ひぃぃぃぃ」  ──ねぇ、あの顔は喜んでくれてるんでしょぉぉぉかぁぁぁ!?──  もう白目状態……倒れそうぅぅ……。
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