みずたまり、みずたまり。

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　少女は語る、語る、語る。
　まるでマシンガンのように言葉を連ねる。キラキラした瞳で、艶やかな唇で。

「私全然気づいてなかったんですすごいですよねよくよく考えたら私のすぐ後ろの席って男の子だったはずなんですよ黒木くんっていうそれなのにいつのまにか後ろの席は黒須澪ちゃんになっていたんですでも私彼女の顔見たのってそういえば初めてだったなあってあの日彼女に教室で声をかけられるまで彼女のことなんか知らなかった見たこともなかったそれなのにずっと仲良しの友達だと思い込んでてそれが当たり前だと信じていておかしいとも思わなくてでも本当のことはわかってすごく感動したんですだって水たまりにうつった彼女の顔はそう顔は顔は顔は顔は顔はかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかおかお！」

　病室で、涎を垂らしながら語る少女。
　彼女が何を見てしまったのかは、誰も知らない。