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26.一時帰還
日本に戻りたい。その思いが結実し、パンツが輝き出す!
そして、次の瞬間、私はパンツ屋敷の前に立っていた。
「戻ったか……まさかミラクルパンツを再び作れば帰還できるとは。さすがめんちゃんの発案だ」
「めーん!」
めんちゃんはいつものメンダコの姿に戻っている。もふもふだ。
「まあ、今後は気が向いたら異世界で魔王を倒す冒険をするか」
「そんなRPGの積みゲーみたいな感じでいいの?」
コトネの言うことは最もだが、やはり自由にパンツを脱げないのは辛い。
「別にここも自由にパンツを脱いでいいわけじゃないけど?」
そうだっけ?
「だがこれで初代パンツマスターは異世界に旅立ち、いなくなった。指導者を失ったパンツハンター共も解散するだろう。一件落着だな」
「そうね……」
コトネは物憂げな表情だ。流石に祖父が悪しきパンツハンター達を従えるパンツマスターという事実は堪えるのだろう。
「コトネは知っていたのか。その、君の祖父が……」
「ええ。ごめんなさい。知った上であなたを育て、けしかけたのよ」
「まあ、気にするな。君は君だ」
「そう、ね……」
「これからどうするんだ」
「しばらくはこの街にいるわ。あなたの修行も終わってないしね」
「本当に私をパンツマスターにする気なのか」
「ええ、もちろんよ。あなたには期待しているわ。パンツマスターの卵、パンツマン」
その時、私に声をかけてくる者がいた。
「あっ、パンツマン! あっちでブラジャーマンがホタテの殻を新しいブラジャーにしようとして挟まれて暴れているんだ! とめてよ!」
この街の子供だ。どうやら困っているらしい。
「私が来たからにはもう安心だ! ホタテごとブラジャーマンを粉砕してやろう!」
そう、私はこの街のヒーロー、パンツマン。
この街の平和を守る役割があるのだ。
続くっ!
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