30.パンツノート

1/1
前へ
/32ページ
次へ

30.パンツノート

 私はパンツマン。  今日も街をパトロールしている。  む、何だ? あそこに白いノートが落ちているぞ。拾ってみよう。 「パ……ンツノート……?」  ノートの表紙にはローマ字でそう書かれていた。  直訳すればパンツノート。  どういう意味だ?  開いてみよう。 「このノートに名前を書いた者のパンツが脱げる……?」  ふむ、こう書かれているが、信憑性がないな。  そんな魔法みたいなことがあるわけがない。  取り敢えず私の名前を書いてみよう。  パンツマン、と。  スッ。  ピーポーピーポー。 ー1時間後!ー 「今日もパンツを脱いでやってきたなパンツマン!」 「お巡りさん、違うんです。今日は私は自分から脱いだ訳じゃないんです!」 「じゃあどうしてパンツを脱いでいたんだ」 「このノートです。このノートに名前を書いたら脱げたんです!」 「そんな馬鹿なことがあるか! どうせ出任せだろう」 「本当なんです! じゃあ、お巡りさんの名前を書きますよ?」 「ああ、やってみろ!」 「『お巡りさん』と……」  スッ。 「な、なぜだ。なぜ、私のパンツが……!?」  私は打ち震えていた。なぜなら私のパンツが脱げていたからだ。お巡りさんのではなく。 「あ、これ名前を書いた奴のパンツが脱げるって書いてあるぞ」  お巡りさんがノートを見て言った。 「な、何だと……」 「誰が使うんだこのノート……」  続くっ!
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加