雨上がり注意報！

「わかってるわね？」

　私は彼に厳しい視線を向けた。

「彼等から絶対に目を離さないで。……あの日の惨劇を、貴方も覚えているはずよ」
「ああ、わかっているとも」

　彼は椅子に座ったまま項垂れた。標的は今、檻に閉じ込めてある。時々暴れるような音がするが、今はまだ大きな問題など起きないだろう。
　ここからだ。
　雨が上がった時、最大の注意を払わなければいけない。
　いつまでも連中を閉じ込めておくことができないのが現実。あの日と同じ悲劇を引き起こさないためには、自分達が全力で目を光らせていなければいけない。

「もう、あのような事件はごめんだ」

　彼はため息まじりに窓の外を見た。

「明日……日曜日には雨も上がるらしい。……奴らは必ず暴れ出す。俺達で、しっかり手綱を握らなければいけない。それがどれほど困難なミッションでも」