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「同居はいつからがいいかしらね。3年目となれば新婚とも言えないでしょう。こっちの方が智くんの職場からは近いし、私達といた方が妊娠したときに安心だろうし」
「不妊についてもお母さんに生理や排卵日を管理してもらるし、経験者からのアドバイスももらえるんじゃない?」
「そうね。基礎体温も毎日報告してもらえば、いいかもしれない」
「こんなにできないんじゃ、そのくらいしないと出来ないわよね」
「手のかかる嫁だこと。でも智くんのためだもの。母親がやってあげれることはやってあげないと」
「嫁の努力も監督しないと。お兄ちゃんも疲れてて大変だろうし」
「ひなちゃんがちょくちょく来てくれるから一緒に監督できるしね」
義甥の食事介助をしながら耳に入る会話を聞いて、早苗は戦慄した。同居なんてしたら一時も休まらない。基礎体温と生理周期を聞いてどうするというのだ。営みさえ把握されかねない。震える手から離乳食が落ちそうになるのを、早苗は懸命に堪えた。
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