眠り

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眠い… あぁ酷く眠い… とても憂鬱な朝である。私がなぜこんな時間に起きなければならないのだろうか。 今日も学校や仕事はないのだから無意味にベッドの上から天井を眺め、それに飽きたならまた眠るというなんとも非常に勿体無い時間の使い方をすれば良いのだ。 だからこそ私はまた眠ろうとしたが、眠ることが出来ない程の大きな空腹感がお腹を圧迫して、何かを食べろと体に訴えかけてくる。 何かを食べなければきっと寝ることは出来ないだろうと直感で感じる。あぁ、だがなぜ食事をしなければならないのだ。 朝、昼、晩と決まったタイミングで腹がすき、体に何か食べろと訴えてくるのが憎らしくてたまらない。 こんなことを忘れようして寝ようにもお腹が痛いせいで寝たくても寝れないことに気付く。 仕方がなく近くに置いてあったカロリーメ◯トの箱の中から開きっぱなしの袋を取り出し、カロリーメ◯トを一本取り出してからそのまま口の中へ放り込んだ。 口の中で飲み込める程の大きさに噛み砕き、それを飲み込んだが、水を飲んでいないせいなのか口の中がパサパサしている。 しかし、これでやっと眠れると思った私は下の階からする母の学校へ行きなさいという言葉を聞き流し、ベッドの上で仰向けになり天井を見る。 私がぼうっと天井を見つめていると、少しのちょっとした不安が頭をよぎる。 このまま学校に行かなくても良いのか… その時、ポツリポツリという地面に雨が落ちる音が何一つ音がない室内に静かに響いた。 親は私が学校でいじめられていたことを知っているからか学校に行けとあまり強く言うことはない。 いじめっ子だって私をいじめているとバレてからは退学処分となっているから今学校に行っても私をいじめる存在はいないのだ。 だが怖いのだ。 どうしても見えないところで何か言われているのではないかと人々のドス黒い感情を一度その身に受けてからは疑わずにはいられない。 …あぁ、寝よう。早く寝るのだ。 嫌なことを忘れるのにはそれが一番に決まっている。今までもそうだったのだから… 精一杯目を閉じて、眠ろうと必死になる。それでも眠れない。眠れないことに焦りを感じ、早く早くと更に強く目を瞑った。 ……目が覚めた。起きてすぐの私の耳にザァ…ザァ…と、雨が屋根に当たる音が入ってくる。 そんな音を聞き続けて、外はどうなっているのだろうと気になった私は、久しぶりにベッドから起き上がって部屋のカーテンを開いた。そして私の目に入ったのは、外が見えづらくなるほどの土砂降りの雨だった。 普通はなんとも思わないはずの雨。しかし、今の私にはその雨が暗く沈み込んでしまった自分の心を表しているように見えた。
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