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10話 木面
とある家に壁掛けに奇妙な木面が飾られているわ。
一見普通の木面だけどね。それを身につけると一生死ぬまで外せなくなり踊り狂うらしいのよ。
その木面は神様が宿る神聖なモノらしいから、あなた達もそんな木面があっても身につけないようしなさいね。
そんな怪談を聞いて帰宅した後、私の自宅に奇妙な木面があったこと思い出したのだ。
その木面は昔、幼い頃祭り屋台で購入したモノだった。
木面自体は少し顔がニヤケ顔を出していたから。
私はその押し入れからその木面を取り出して懐かしむ。
もちろんその木面である怪談は迷信と捉えていたので少しその木面を身につけてみた。
ちょうどいい、フィットして顔にハマった。
「ただいま」
母親がお買い物から帰宅したので私は忘れずに木面を外して玄関先にお出迎えする。
すると、母親は私を見て悲鳴をあげた。
「理央!?その顔、どうしたの!?」
顔?と首を傾げながら洗面台の鏡で確認すると、私の顔が変わっていたのだ。
木面と同じくニヤケ顔だったから。
あまりの変顔だったのでしばらく不登校拒否になったが、クラスメイト達の優しい励ましなど頂いてから、少しずつ自分の顔にも慣れていた。そして家族も木面を身につけて私と同じニヤケ顔になっていた。
そして親戚中にも波及して木面を身につけて私と同じようにニヤケ顔になっている。
木面 完
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