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14話 死線(しせん)
癌の病気で死期を悟ったお祖父様が言うには何者かの視線が感じていたらしいの。
相手の姿、性別、年齢は不明であり、はっきりと認識はできなかった。
場合によっては複数人の視線が感じるらしいの。
最期看取る時、お祖父様はこう呟いたわ。
「見えた」とつぶやくとそのままぽっくりと亡くなったわ。
「私の怪談は以上よ」
「ありがとう桂子」
私たち部員は珍しく喫茶店内の場所で怪談を披露している。
飲食費は全て部費で落とされるらしいので遠慮なく私たちもジュースやサンドイッチを頼む。
そこで図々しい八木楓さんはゆで卵はいくつ食べるのだろうか?と小石麻紀はそのゆで卵食べる姿はリスみたいに可愛いと部員達は勝手にスクショしている。
そんな平穏な日常に私個人的気にしてるのがある。
その周囲にナニカ視線を感じるのである。
みんなは平然としてるが私だけ強く感じるのである。
背筋がぞわりとする感覚がきてる。
しばらく私はその視線が気になり、おちおちと落ち着けずにそわそわしていた。
2.
お開きなると私たちは各自帰宅する。
帰路に向かう途中でもいくつか視線を感じていた。
誰かがジロジロ見ている。
その気配がどこにあるのか分からなかった。
「ただいま」
帰宅すると同時に私は部屋に上がるとき、ぞわりと背後が感じる。
先程の怪談が思い出ししてしまう。
そして、私の部屋にいたから。
ずっと人形達が私の方向見ていたから。
その後、私は人形達を押し入れに入れた。
視線が感じるから。
ずっと視線が感じてしまう。
私は……。
そっと部屋の等身大の鏡を見ると私自身が笑っていた。
何がおかしいのかわからない。
クスクスとアハハハの笑い声が絶えない。
その鏡の向こうからゆっくりと腕が掴まれて私という存在は鏡の中に取り込まれて忽然と消失した。
それ以降、私という存在は見つかってない。
3.
「おはよう麻紀」
「おはよう理奈」
結局彼女が現れることはなかった。
でも、最近見慣れない肌が白い女子生徒がいたような気がする。
そして私もそろそろ受験が間近に控えている。
そんな時に誰かの視線が感じる。
その女子生徒はーー。
死線(しせん) 完
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