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15話 卒業式
私たちは明日から卒業生になる。
いろいろあったが結局彼女が現れることはなかった。
そして私たちは最後の怪談を披露することになった。
「じゃあ、次麻紀さんね」
「はい。私の怪談は卒業式ちなんだ怪談を披露します。その彼女はーー」
私はそこで怪談を披露した。
2.
私は真っ暗な教室にいた。
私の他にクラスメイトがいたが全員青白かった。
そこに先生が現れて出席簿で名前を読み上げるとその名前に呼ばれたクラスメイトは謎の光に包まれて姿を消した。
そしてとうとう私だけになった。
でも、先生は私を読み上げることなく姿を消した。
みんなは私を仲間外れするのだ。
だから、病室で目覚めた時、私は思い切り泣いた。
そしてある日のことようやく迎えが来た頃、先生が私の元に訪れて出席簿の名前を呼ばれて私はようやくみんなの元へ向かった。
3.
「おしまい」
みんなは私の怪談を聞いて拍手喝采となった。
嬉しかった。
みんなは私を褒めてくれる。
そう、逆手の甲を叩いて死手をしてくれるから。
私でようやく卒業式を迎えて卒業するのだ。
だって私はすでに死者だから。
あーあ。結局彼女が現れなかったな。
どうしたら、彼女が現れるだろうか……。
ふと、隣に座っている八木楓さんは私を見てニコと微笑んでいた。
3.
「という怪談よ。数年前ここで怪談を披露すると彼女小石麻紀が現れるらしいわよ」
どこかの場所で怪談を披露する彼女達。
彼女達も怪談を求める彼女を求めて怪談を披露する。
そんな彼女達が披露する怪談はーー、
「次はどなた?」
「私がいくわよ」
「じゃあ。お願いね八木楓さん」
「ええ」
卒業式 完
ゾクッ彼女の怪談は不思議な野花を咲かせる 本編完結
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