2人が本棚に入れています
本棚に追加
06話 感謝の意
とある道路の側にお地蔵様が設置されてるの。
なんでも昔からご利益があると言われてるけど今は誰も気にかけてなかったわ。
その飼い犬の散歩中にそのお地蔵様通過する時に聴こえてきたのよ。
『塩おにぎり食べたい』
てね。その場に私以外人もいなかったから、キノセイかなぁと思ってたけどお地蔵様を見ると寂しそうで訴えかけてるように見かけたから、塩おにぎりくらい作って用意しようかなと思ったわ。
2.
帰宅した私は早速塩おにぎり3つほど作ったわ。
ちょうど冷蔵庫にたくあん2切れあったからそれもつけることにしたね。
そして再びお地蔵様のところに向かってそこで作った塩おにぎりを供えて参拝したわ。
するとね。お地蔵様がね、
『ありがとう』
と、どこからか頭の中に響いてふとお地蔵様の目元から大量の水が流れたの。
そしてふと目の離した隙に供えてた塩おにぎりとおまけのたくあん2切れはいつのまにか無くなってたわ。
「以上よ。私の怪談は……と、言いたいところだけどね。そう、みんなも知ってるかも知れないけど私に彼氏ができたの」
「部長。おめでとうございます。まさしくご縁がありましたね」
「ふふふ。ありがとう。でもそのマイダーリンいつも塩おにぎりが好物だから毎日作ってるの。もうお地蔵様みたいね」
私たち真田部長の惚気話に咲かせた後、お開きになった。
3.
「いらっしゃい待ってたわよ」
「ああ。来たよマイハニー」
真田部長の自宅元に彼氏がやってきた。
しかし、その彼氏はお地蔵様に似ていた。
そして出迎えてくる真田部長の両親もお地蔵様に似ていた。
この周辺の住人もお地蔵様に似ていたから。
お地蔵様に似てないのは真田部長当人だけである。
そして真田部長は手料理であるカレーライスを振る舞うと真田部長以外両親と彼氏は額から大量の汗が吹き出でいた。
感謝の意 完
最初のコメントを投稿しよう!