始まる、爛れた関係

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「川瀬くん、大丈夫?」 彼に肩を揺さぶられ、目を開けた。 いつの間にか眠っていたようだ。 「‥‥ん」 定まらない意識を浮上させ、 ゆっくりベッドから起き上がる。 「うなされてたよ」 「‥‥大丈夫です。すみません」 彼に優しく髪を撫でられ、頬を緩めた。 いつか訪れるかも知れない別れを 考えるのはまだ早い。 彼と深く重なり合いたい。 それは間違いない。 彼を引き寄せ、耳元で囁いた。 「まだ一緒にいてくれますか」 「だから電車ないし。放り出されても困る」 「あはは」 俺の手をすり抜け、 立ち去った人たちがいたことは考えない。 今は、惹かれて止まない彼のことだけ。 漆黒の闇が広がる半径2メートルが、領域。 自由に跳ぶなんて、絶対に許さない。
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