降りしきる、雨の夜に

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土砂降りの雨の中に身を投げ、 コンビニに駆け込むと、傘を買った。 スマホの時計は、22時を差していた。 濡れた服と靴を持て余しながら、 元来た道をゆっくり帰ろう。 自分の弱さは、 嫌と言うほど充分理解していた。 「片想いでも愛したい?それとも、 一途に愛されたい?」 彼の質問に即答できなかったのには、 明確な理由がある。 佐橋雄大を愛したいし、 岸野葵に愛されたいと思うのは、 やはり罪なことだ。 いっそ、神の怒りに触れてしまえ。
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