始まる、爛れた関係

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「俺のこと好きになって」 「岸野さん、あの」 繊細な線の集合体で形成されている彼の姿が 獲物を一気に捕らえる女豹に見えた。 「こんなに早く進むのは、ちょっと」 彼は俺に馬乗りになり、 俺の唇だけじゃなく頬や首筋にまで 貪欲に唇を這わせている。 たぶん既に俺の首筋は、 彼によってつけられた複数のキスマが。 「‥‥言われなくてもわかってるよ? 川瀬くんが俺に一目惚れしたことは」 「岸野さん、とにかく話し合いましょう」 彼の唇からやっと逃れ、小さく息を吐いた。
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