始まる、爛れた関係

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「やだ。川瀬くんからもしてよ、キス」 とろん、と蕩けるような彼の表情に、 心ごと持っていかれそうになる。 固くなった自分の股間を俺の股間に 押しつけながら、彼が問いかけた。 「それとも、エロいことは嫌い?」 「‥‥そんなこと」 仕方ない。 彼の細いウエストを引き寄せ、 そっと顔を寄せた。 「岸野さん。そこまで言うくらいですから 覚悟はできてるんですよね」 「うん」 女豹のような表情から一転、 いつものあどけない笑顔に変わったのを 確認し、彼の唇に自分の唇を優しく重ねた。 唇を離し、彼を抱きしめる。 「俺と付き合ってくれますか」 「喜んで」 胸に収まる彼がくすぐったそうに動き、 俺を見上げた。 再び彼とキスを交わしながら、 俺は過去に引き摺られ始めていた。
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