始まる、爛れた関係

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始まる、爛れた関係

それでも俺を、愛してくれますか。 「岸野さんが来たぞー」 半年に一度行われる、人事異動。 今回は直属の上司が代わることになった。 同じ部署の先輩、吉川隆之に呼ばれ、 ミーティングルームに足を運んだ。 「失礼します」 ドアをノックし、中に入ると 馴染みのメンバーが数人見えた。 そして。 メンバーに囲まれ、 恥ずかしそうに微笑む彼と目が合った。 「!」 今年23歳になる俺より 2歳年上だと聞いていたが、 年上とは感じさせないあどけない笑顔。 つぶらで黒目がちの瞳、 肉厚で小振りな唇、サラサラの黒髪。 超、美人だ‥‥ 一目で、強烈に惹かれた。 視線を外せなくなった俺を見つめ、 彼の小さな唇が動いた。 「キミが川瀬くん?はじめまして。岸野です。 これからいろいろよろしくね」 彼に微笑まれ、途端に頬が熱くなる。 こんな気持ちになったのは久しぶりだ。 予期せぬタイミングでの恋の予感に、 心は打ち震えた。
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