Episode.7

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何が違うのよ。私がおばさんからそれを聞いて、どれだけびっくりしたか。どれだけ、どれだけ。 悲しかったか、寂しかったか。ハルカの寝顔を見て、私がどれだけ不安になったか。 唇を噛み締めてハルカを睨む。ハルカは膝に顔を埋めたままこちらを見なかった。 「こっち見なよ」 「やだ」 「喧嘩売ってんの?」 「売ってないから買わないで」 「ハルカ!」 ツカツカと歩み寄ってハルカの肩を強く押した。 ヒョロヒョロのハルカはそれだけでも簡単に動いて、その拍子に顔が上がる。目があって、びっくりした。 ハルカも私と同じ顔をしていたから。キュッと唇を噛み締めて顎に梅干しを作り、顔を真っ赤にして涙がこぼれそうな目をしていた。 「……どうして、こうなんだろうね」 ハルカは私と目を合わせたまま静かに呟く。 「アメリカに行くって、いつ決まったんだろうね。おれ、ずっと嫌だって言ってたんだよ。お母さん、おれの意思を尊重するって言ってくれてたんだよ。なのに、いつの間にそうなったんだろうね。おれが寝ている間に決まったのかな」 ハルカがもう一度膝に顔を埋めた。 今度は私の手が押し返された。 「いつもこうだよ。おれが目が覚めた時、何もかも変わってるんだ。おれの知らないところで変わって、進んで。おれはずっとこのベッドの上に置いてけぼり」 なんで? どうしてそんなことを言うの? いつかのハルカの言葉を思い出した。
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