Episode.3

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「りんご、おれも好き。ずっと前に、ウサギに剥いてもらったことある。可愛くて大好き。……ご、ご。ゴールデンウイークの最後の日」 「ゴールデンウイークの最後の日って嫌いな人多いと思うけど。次の日から学校だし」 あきれ気味にそう言えば、「ぶー。ミク、ぶっぶー。ルール違反だよ」とハルカが笑う。 はあ? と顔を顰めながら、赤信号のためブレーキを掛ける。片足だけでは自転車を支え切れないので、サドルから飛び降りて自転車を支えた。 「好きなものしりとりのルールその一。好きなものしりとりは、相手の好きなものを貶してはいけません。さっきそう言ったでしょう」 「言ってないし!」 目を吊り上げて反駁する。あれ、そうだっけ?と首を傾げる気配がして深くため息を吐く。 勝手に始めたのはどこのどいつよと心の中で悪態を吐きながら、青に変わる気配のしない信号を睨んだ。 「分かった、じゃあルール教えるね」 ハルカがそう言った突端自転車が前後にゆらゆらと動きだし、何事かと慌てて踏ん張る。 振り返って確認すると、どうやらハルカが足をぶらぶらと揺らしていたらしい。 ハルカの背中を肘で突いて「危ない!」と怒鳴るも、当の本人はどこ吹く風で「ルールは三つあってね」と話し出す。 ハルカといると一生分の溜息を使い果たしてしまう気がした。 「ルールその一、相手の好きなものを貶してはいけません」 「それはさっき聞いたっての」
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