Episode.4

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最後の「ごめんね」は言い慣れているような謝罪だった。おそらくハルカは、自分の病気のことで人に謝るのに慣れているんだと気づいた。 「迷惑かけてごめんね」 後押しするようにそういたハルカに胸がぎゅっと締め付けられる。 謝って欲しいわけじゃない。むしろ謝らないといけないのは、ちゃんと話を聞かずに決めつけた私の方なのに。 「いつも、どこでも寝るのは、そのせい?」 「ん、ごめんね」 「迷子になるのは」 「小さい時にこのビョーキになって、最近まではあんまり家の外に出なくなったから、道が覚えられなくて。ごめん」 また慣れた口調で謝った。 「先に、言ってよ」 「他人から急にそんな事言われたら、困るでしょ?」 へへと頬をかくハルカ。 他人、という言葉がやけに刺さった。悔しくて腹が立って、それ以上になぜかすごく悲しかった。 足元の石ころを蹴飛ばした。 「もしその……また眠りそうになった時は、ちゃんと前もって言って。後ろに乗せてる時に、またあんな風に倒れられたら心臓に悪いし」 拗ねた子供みたいな言い方になってしまい、少しバツが悪い。チラリとハルカを盗み見るとハルカはその目を丸くしていた。 「……いいの?」 予想外の返事に戸惑う。 「また、後ろに乗せてくれるの?」 どう答えればいいいのかわからずにただ一つ頷く。 するとハルカは二、三度瞬きをして俯く。泣きそうな顔で笑った。
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