Episode.1

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大通りに出ると、昼ごはんの食材を調達するために出かけている主婦が多かった。 信号で止まるたびに皆が私をちらちらと見てくる。とっくに学校は始まっている時間だから制服姿は結構目立つ。 こちらを窺ってくる視線が居心地を悪きして、大通りから一本外れた路地に入った。 「あれ、この道初めて通ったかも」 そう呟きながら見慣れない路地を進む。 大通りの場所はちゃんと把握しているし、わからなくなれば戻ればいい。 そう思いながら突き進むと、そこそこ大きい小綺麗な公園が見えてきた。入口に季節の花が揺れる花壇があって、少し小高くなった公園の中心には大きな時計台がある。 鉄製のベンチには老夫婦が寄り添って日向ぼっこをしていた。ふんわりと甘い花の香りを乗せた風も私を追い越す。 さらに進めば外観の綺麗な住宅地に入った。お洒落なクリーム色の煉瓦作りの一軒家が立ち並ぶ。 さっきの花の香りはここから届いたのだろうか。 どの家も花壇の手入れが行き届いていて、小さな花が揺れている。 自分が今朝飛び出してきたボロいアパートを思い出す。
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