Episode.5

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へぇ!と興奮気味に身を乗り出したハルカにクククと笑う。予想通りの反応がたまらない。 答えはまだ教えずに、画用紙に次々と書き込んでいく。 「花束」矢印、「いちごのホールケーキ」矢印、「ブドウ100%のジュース」矢印、「山盛りの唐揚げ」矢印、「たくあん入りのポテトサラダ」矢印、「新しい小説」矢印、「緑のラインが入ったスニーカー」矢印、「クラッカー」矢印、「キラキラの風船」矢印。 そうして画用紙がいっぱいになって、最後に「15歳」と書き入れる。 「分かった!」 ビシッと手を上げたハルカ。 「それ、お誕生日パーティーを作るための地図だ」 「そ、正解」 ニヤリと笑ってハルカに地図を見せる。間抜けな顔で「おお〜」と拍手した。 「うちね、毎年誕生日の前の日に地図を作るの。でね、誕生日の日には家族みんなでそれを一つずつ集めて、最後にパーティーするんだ」 「すごい、面白いね。ワクワクするね。宝探しみたい」 「お父さんが考えたんだ。“誕生日探し”。今もお母さんと二人でやってるの」 「いいな〜、誕生日探し。おれもやりたい」 羨ましそうなハルカの横顔。チラッと見て画用紙に書き込むふりをしながら口を開く。 「別に、いいよ。明日お母さん帰ってくるの多分夕方とかだから、先に始めようと思ってたし。ハルカも“誕生日探し”参加していいよ」 「ほんと!」
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