崑崙出陣前

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崑崙出陣前

 さて。傾世元禳をひらひらさせた勘解由小路は、居並ぶ俺達を見つめていた。  温羅は影山さんにボコにされて不機嫌そうだったし、あるいは田所ちゃんは、どさくさに紛れて尻の匂いを嗅ごうとした静也を、本気で蹴りまくっていた。 「じゃあまあ、こっちのメンツも充実してきたところだし、崑崙山に行くとしようか。まあ、こいつ等なら十絶陣も大丈夫だろう。田所、お前にはこれをくれてやろう」  ポイと投げ寄こされた五火神焔扇を、田所紀子は重そうに握っていた。 「そういやよ。宝貝ってのは、仙骨ねえと使えねえんじゃねえのか?」  漫画じゃそうなっていた。  でも、俺使ってたけど。 「どうだったかな?便利なマジックアイテムくらいにしか、考えてなかった」 「何か、便利なアイテムと考えとりゃあせんか?一応儂等、仙骨あるんだがのう」 「正男が使えてれば問題ない。傾世元禳はまあ、使えてるがな?で、まだ仲間集めするか?申公豹とか呼べよ。どうせ近くでストーキングしてるんだろう?」 「まあ、どうするかのう?崑崙攻略なら、そろそろ来そうだしのう?」 「ええそうですよ。お久しぶりですね?姜子牙」  黒い霊獣、黒天虎に乗った、若い仙人の姿があった。  その名を、申公豹と言った。 「よーし、さっさと攻略しちゃおう」  勘解由小路はそう言った。
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