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小鳥遊山椒死す
勘解由小路による、崑崙襲撃が始まる直前。小鳥遊山椒は、相変わらず社稷図の中をさ迷っていた。
あああああ!もう!小鳥遊は無意味に叫んでいた。
「牧歌的な中国の田舎とかもう飽き飽きでゲスああああああああああああああああああああああああああ!どうすりゃ出られんでゲスか?!旦那ああああああああああああああああああああああああ!お助けええええええええええええ!」
「ホントにうるせえアルな。この馬鹿弟子は」
あっさり発見された、小鳥遊の姿があった。
「うぎゃあああああああああああ?!師父?!まだ食らい足りねえでゲスか?!ウォオオオオオオオタアアアアアアアアアアアを食らえええええええ!老害に死を!」
「ああウゼえアル。疾!」
突如小鳥遊を取り囲んだ不可解な殻が、分厚い障壁を生み出し、小鳥遊はそこに拘束されていた。
九竜神火罩。捕縛用宝貝が、小鳥遊を拘束していた。
「そろそろ大人しくするヨロシ。お前はもうお終いアル。お前の天明は尽きたアル。炮烙か蠆盆か、好きな方を選ぶアル」
「アルアルうるせえでゲスあああああああああああ!たまにはナシと言ってみろおおおおおおおおおおおおおおおおでゲス!」
「で、あるかい。愚か者め」
太乙真人の抜き手は障壁を容易く貫き、それは、小鳥遊の胸まで至っていた。
「あ――師――父」
あっけなく、小鳥遊の命は潰え、その場に崩れ落ちた。
「まあ、しょうがねえアル。この失敗作め」
霊珠。小鳥遊の胸から抜き取った、青く輝く珠を、太乙真人は見つめて吐き捨てた。
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