恐るべき力

1/1
前へ
/36ページ
次へ

恐るべき力

 そして、闡教の頂点にして、偉大すぎる大仙人、元始天尊は、全身にモーションキャプチャーを貼り付けて言った。 「おいもまえ等、天尊降臨(-ω☆)だお」  その場に、両手をついた呂望の姿があった。 「ここまでとは。しかし、信じとうはなかった。元始天尊の師父が、Vチューバーになっておるとは」  ゲラゲラゲラ!更に楊戩は笑っていた。 「玉鼎師父が、酒かっくらってSNSにクソリプ送ってる!ああああああ!師父ううううう!」 「おう楊戩。ちょっくら俺のウマ娘走らせたいんだがよう。金がねえからさ。カードよこせ」 「更に重課金してにっちもさっちも行かなくなってるるううううう!もう何この師父?!」 「おい。天尊降臨(-ω☆)」  割って入ったのは、勘解由小路だった。 「俺のスタッフの、小鳥遊が多分捕まってるんだが、何か知らない?」 「太乙真人が、弟子がどうしたとか言っててたんだお?十二大師が処刑するとか言ってたお?」 「ふうん。そうか。返せ。小鳥遊を」 「だが断る。ドヤア」 「ああそうか!まあ小鳥遊なんかどうでもいいんだがなあ?!とりあえず、お前Vチューバーやってて、俺に喧嘩を売るとどうなるか!ちょっと待ってろ?」  そう言って、携帯に手を伸ばした。  あばああああああああああああん??儂のアカが!元始天尊が悲痛な悲鳴を上げた。 「500人いた儂のフォロワーが!」 「要するに、稲荷山の影響力甘く見るなよ?社員が全世界で100万人いるってさ。その総帥に、炎上命令出たら、どうなると思う?」 「真っ赤っ赤に燃え上がるのう。儂の師父のアカウントが」 「い、嫌あああああああああああああああ!!」 「な?下請け孫請ひ孫請が、逆に好意的なリプしたら、どうなる?」 「あああああああああああああ!フォロワーが!チャンネル登録者数が!何と100万人?!」 「な?俺に逆らうな。十二大師には、酒な?よし見てろ。これが俺の闡教落としだ」  そう言って、勘解由小路はニヤリと笑った。  空輸で届けられたのは、クリュグにナポレオン、ロマネ・コンティといった高級酒ばかりで、震える手で箱を開けた十二大師は、 「ジャパンマネー凄すぎらあああああああああああああああ!」 「ゲラゲラゲラゲラ!僕の師父が!SNSで来た妙なアカウントのDMで!デレデレになってゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!」 「玉鼎にはな?稲荷山本社のOLに熱心な封神演義フリーク女がいてな?玉鼎本人のアカだっつったら、会社辞めて中国に住み着くって話だ。41歳だが、多分おぼこだぞ?」 「売れ残りいいいいいいい!でも嬉しそう!ゲラゲラゲラゲラ!」  楊戩は、そこで卒倒した。 「げに素晴らしき魔上皇降魔王真君に!敬礼!」  こうして、崑崙は無血で開山していた。  
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加