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創造神見つけた
家に帰って、即メンツが集められた。
「今度は中国な?じゃあ、斬獲な?」
相変わらず雑ね。このおっさん。田所紀子は、ゲンナリしていた。
「だから、ちゃんと説明してよ。こっちはちょうど静也を火で炙ろうとしていたのに」
「うむ。今日もいい匂いだったんだが。紀子の尻は。うばああああああああああ?!」
百鬼丸は、静也を蹴り払っていた。
「珍しく鬼哭がいるじゃん。でも、コバチしか釣ってなくって、フラストレーション溜まってるみたいだし。影山、何があった?」
碧お嬢様に言われて、影山さんが言った。
「敵は、仙道なのだそうだが。主に行けと言われた。行ってもいいだろうか?母よ」
「誰が母だ。お嬢様だろうが」
「と言っているがどうだろう?父よ」
「碧の父ちゃんは確かに俺だが、俺を父ちゃんと呼ぶなって」
「むう。そうか。母の父親なら、祖父ということになるが、どうだろうか?」
何だ。この天然は。鬼哭はおかしい生き物を見たような気持ちになっていた。
「別の心配が出てきたぞ。父ちゃんもジジイも禁止だ。涼白さんを見習え」
影山さんは、メイド衣装の女の子をチラ見して言った。
「了解した。魔上皇よ」
ふう。面倒そうに、勘解由小路は空を見上げた。
「まあ、ことさらに敬意を示せとは言えんか。まあいい。静也と田所、影山さんに正男。今回はこのメンバーだ。ああ勿論真琴は一緒だぞ♡」
「っていうか師匠よ。いきなり呼び出して留守番してろって、酷くねえか?」
ライルはタバコに火を点けて言った。
「うーん。お前最近ホントにいいことないな。トラブルしか起こさんケルトの小僧は置いていく。イギリス帰れ」
弟子の扱いが酷すぎる師匠の姿があった。
「パパ。私達はいいの?流紫降も」
「流紫降はなあ。学校あるだろう?流紫降、留守番頼む」
まあ、流紫降が中国行ったら、即日本妖魅の大移動になりかねんし。
「ってことは、莉里も家にいるのよさ。涼白さんに毎日絵本読んでもらって添い寝するのが、莉里の最近のフェイバリットなのよさ」
莉里はそう言った。
「昨日なんか、涼白さん「泣いた赤鬼」読んで、逆にエンエン泣いちゃって、莉里がいい子いい子したのよさ。涼白さんのおっぱいといい、可愛さエグいのよさ。川峰さんなんか、いつも新入りネチネチ苛めるのに、涼白さんにメロメロになってるのよさ」
「ぎゃあああああ!何を仰れるのか莉里様!」
カワウソ?っぽい生き物が悲鳴を上げ、涼白さんとか言うメイドが、真っ赤になっていた。
「莉里は、最近の情操教育が必要だしな?のびのび優しい姫になってくれよ?」
ハアハアした莉里が、父親にしがみついていた。
「という訳で、言ってくることになった」
「気をつけてねミザール。怪我しないでね?風邪引かないでね?」
妹の小さい肩を抱いた影山さんは、露骨に発情していた。
「か、風邪など引くものか!アリオトも!お嬢様と仲よくしていろ?!」
執事とメイドの甘酸っぱい様子を、死んだ魚みたいな目で見ていた碧が、やる気なく言った。
「んー。じゃあ、私緑きゅんといていいのね?」
「勿論、緑くんはママと一緒です。赤ちゃんですから」
そういやいたな。嫁由小路は。
久しぶりに会った幼馴染に、嫁がいるって気不味いんだよな?
年齢考えりゃ、そう違和感ないし。
「もうホントに可愛いぞ♡真琴♡」
んー♡ってし合っていた。
「で?中国で仙道と戦う?それで、主犯は誰よ?」
田所紀子は言った。
「まあ、俺と正男に対する敵対行動と、多分あれだ。小鳥遊の奴も捕まっててな?詳しい奴に聞いてみよう。ここら辺かな?」
庭の藪をガサガサしていた。
「おういたいた。出てこいお前」
嫌々そうに、中国服を着た男が、ヨロヨロ出てきた。
「ああどうも」
「で、お前は誰だ?」
「ええ、まあ、私は、伏犠といいます」
隠れていたのは、中国太古の創造神だった。
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