創造神見つけた

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 で、何で、俺達に魚けしかけたんだ?勘解由小路の問に、伏犠が応えた。 「私は何もしていませんよ?うちの奥さんが、心配で」 「伏犠の奥さんて――女媧?」  陰陽師の田所紀子が言った。 「伏羲の妹にして嫁だったな。女禍は。お前、あんな、自分をエロ詩の題材にした紂王(ちゅうおう)を籠絡してこいって妲己(だっき)に命令しておいて、出来者だった紂王とラブラブな妲己に嫉妬してヒス起こすような女と、よく結婚したな?(たで)好きにもほどがあるぞ」  とても的確な勘解由小路の指摘に、伏羲はぼそっと言った。 「確かに、そう言うところもありましたがね?2人っきりだと意外に可愛いんですよ。まあ、心底彼女を愛していますし。日本に来て、貴方を見て驚きました。紂王にソックリでしたから」  もう、この馬鹿はただの紂王でしかなかったことになる。  今更、女禍、紂王追いかけてんのね。  あ。それで、田所は気付いた。女禍って、誰かに似てる気がしていたのだ。他人の命を屁とも思わないくせに、旦那にはデレッデレのヤンデレっぷりは確かに。 「お話は伺いました。真琴は、これから女禍とかいう、しょうもない蛇のなり損ないのババアを、滅殺して参ります」  着替えてきた真琴さんは、ジャコウの匂いを漂わせて現れた。  その嫁を見て、勘解由小路はうわああああい!って声を上げた。 「あああ!どうしたんだい真琴?!その黒いエロチャイナドレスは?!スリットに手を突っ込んでペロペロしたい♡!うお?!緑までそんな服着ちゃって、チャイナ可愛い坊主だ!んー。それに、♡まーこと♡んー♡」 「んー♡」  イチャイチャし始めた魔上皇を見て、誰もがこう思った。  この――昏君(バカ)め。 「よし。じゃあこの厳選したメンバーで、共産主義者共に震撼をくれてやりにいこう。一時解散」  伏羲の襟首をがっしり掴んで、おっさんはそう言った。
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