6.お忘れ物(私)が勝手について行きますね

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 現状尊敬より呆ればかりが確実に勝っているのだが、だからこそ私にも何かが出来るのだとまずは彼女に見せたいと思った。    そう、その為に。 「じゃあ早速行くわよ、視察に!」 「し、視察ですか!?」 「えぇ、目的地はイース! アルド殿下にバレないよう注意しながら一緒に視察を行うわ!」    ふふん、と得意げにそう宣言すると、もう血色はどこにいったのかと疑問に思うくらい青ざめたミィナが、思い切りガクリと項垂れつつも小さく「理解は出来ませんがわかりました」と返事をしてくれたのだった。  ◇◇◇  見つからないようこっそりと王子妃宮を出た私たち。    ぶっちゃけ部屋を出るところが一番の難関かと思っていたが、そもそもミィナ以外が足を運ばない宮だ。  埃などはないので誰かが掃除をしてくれているのだろうが、掃除中の場面に遭遇することもなくあっさりと宮殿の外に出られた。 「厩舎はどこにある?」 「ここから真っ直ぐ突き当たりです」 「わかったわ、じゃあまずはそこに行きましょう」 “王都から近いとは言っていたけど、当然足はいるものね”
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