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「ひとつもありません」
「そうよねぇぇえ!」
あぁあ、と私は思い切り項垂れた。
“そんなもの来るはずがないのよね……!”
一夜を共にしたのだ。もしアルドとの関係が良好だと噂が広まればそういった招待が来る可能性もなくはないが、だがそれは昨日の今日で今すぐじゃない。
「私が今お茶会を開いたとして、来てくれる人っていると思う?」
「いませんね」
「悔しいけど同意だわ」
お茶会に参加しようにも誘ってくれる相手はおらず、お茶会を開催しようにも参加してくれる相手がいない。
社交を始めたくても最初のキッカケがなければどうしようもないのだ。
“それに、残念ながらマナーとかは詳しくないし”
もし何かしらのパーティーに参加したとしても一人では知らずにマナー違反をしてしまう可能性だってある。
「アルドに頼んだら家庭教師とかつけてくれないかしら」
「あー、まぁ、今の関係性なら可能性はあるんじゃ――……、ッ!」
「?」
ミィナと話ながら王子妃宮へと歩いていると、カツンというわざとらしく大きな足音を立てて私の目の前に立ちはだかる一人の令嬢。
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