15.私のオシゴト

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「そんなの、アルドと夜を過ごしたからに決まっているじゃない」 「な、なんですって……!?」  私の言葉に唖然とした王女が私の後ろをキッと睨む。 「絶対に近付けないでって言ったじゃない! お兄様はチョロいところがあるっていうのに!」 「も、申し訳ありませんッ!」 「なっ」 “ミィナにそんなことを頼んでいたの……!?”  確かにアルドの部屋の場所を聞いた時、歯切れが悪かったことを思い出す。  まさかその原因が彼女だったとは! 「はっ、まさか私に侍女がいないのって」 「もちろん私が指示したからです。貴女程度の女がお兄様に釣り合う訳なんてないんですもの!」 “それもお前の仕業かいっ!”  思わず内心口汚くツッコんでしまった私は、すぐに頭を振って深呼吸した。 「釣り合うとか釣り合わないとかは関係ないのでは? そもそも王族の結婚というのは政略的なものでしょう」 「それは……っ!」  私が口にしたのは世間一般の常識だった。  はず、なのだが。 「わかってる、わかってるわよ、でも……っ、私はっ」 “?”  何がキッカケだったのかはわからない。
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