16.迷探偵?いいえ、名探偵だと思うのだけれど

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 私を頑なに拒絶し祖国へ帰したかったのも、政略結婚をした兄の為なのだろう。  この政略結婚という義務が終わった後ならば、次は愛した人と一緒になれると思ったのかもしれない。 “だからアルドも、最初はこの結婚を無かったことにしようとしていたのかも” 「誰かいい男性を紹介してあげられればいいんだけれど」 「いえ、ですので違いますって」 「でも王族の結婚に自由恋愛はないわ。出来ることといえば政略結婚をした相手を愛する努力だけなの」 「それはそうですが根本がですね」 「恋は素晴らしいのだと知って貰えれば、その恐怖心はなくなると思うのよね」  意気揚々と説明する私に、段々げんなりとした表情になるミィナ。  きっと目の前でアルドといい感じになっている私を見たから、恋が怖いものだという可能性を疑っているのだろう。 “でも、政略結婚で愛し合える方がやっぱりレアなのよね”  だからこそ愛人を連れて来てもいいとすら言われたのだから。 「けれど、いつ政略結婚が決まるかわからないのに好きな人を作ってしまったら、別れがしんどいわよね……」
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