5.一緒ならば公務ですから

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 それを狙い、この国へ入ってすぐに自害するよう命を受けているかもしれないと警戒しわざわざ第一騎士団を迎えにやったり王女にとって都合のいい提案をしたりもした。  部屋だって、少しでも居心地がいいようにと俺なりに配慮したつもりである。  ――にもかかわらず、だ。 『貴方を指名します、私と恋をしてください』  彼女の口から飛び出したのは全く想定していない言葉だったのだ。 “ダレアは笑いすぎて堪えきれていないし、俺としては精一杯の気遣いを無駄にされるしで散々だ”  しかも自分の境遇に悲観し委縮するどころかガンガン言い返してくる。  その威勢のよさに俺の方が戸惑っていると言っても過言ではない。    ましてや外が騒がしいと思ったらその騒ぎの中心が彼女だったのだ。 「こっちは自害しないかを心配してたってのに、騎士を倒してたんだぞ?」 「正攻法とは言えませんが、戦法としては間違ってませんしね。人質としてというより殿下の暗殺任務を受けて来たって言われた方が納得するレベルですよ」 「それだ……!」 「いや、違うでしょう」
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