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ダレアの言葉に思わず納得したが、冗談だったのかあっさり否定され思わず唇を拗ねたように突き出した。
“まぁ、俺の暗殺を狙ってるならそもそも執務室の裏にある訓練場で暴れないか”
隙を突くのが最も手っ取り早いのに自分の実力を見せるのは得策ではない。
実力というよりじゃじゃ馬加減を見せつけられた気がしないでもないが、どっちにしろ合理的ではないだろう。
だからこそ彼女の目的がわからない。
「案外本当に殿下と恋がしたいのかもしれませんよ」
「は?」
「あのお転婆さなら、自国でも持て余されてそうですし」
「それは確かに……いや、だがわざわざ敵国の俺相手にか?」
「敵国だとしても人質だとしても関係ありませんよ。だって殿下は夫なんですから」
「夫ねぇ……」
確かにこの国で取り入るなら結婚相手の俺なのだろうが、それと同時に自分の命を握っているのも俺なのだ。
流石にリスクが高すぎる気がしなくもない、が――
“常に喧嘩腰でぶつかってくるんだよなぁ”
取り入るにしてもやり方が下手すぎると思った俺は正常だろう。
涙ながらに同情を誘う方が簡単なのだから。
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