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「アンタ、話聞いてるのォ?」
「き、聞いてるってば」
妄想って、脳内から幸せ成分がドバドバ溢れてくる気がする。「ふへへ」と変な声で笑う私を見たシゲルちゃんが、まるで私をけん制するみたいに、テーブルからズズズっと身を乗り出してきた。
「よ──く聞きなさい。先に言っておくわ、公私混同したら許さないわよ」
「えっと?」
「一緒に仕事する、メインモデルの男の子たちね。アンタが騒いでるDazzlingっていうボーイズグループの、ノアって子と。それから静琉って子よ」
「う、嘘でしょぉぉぉー!」
現実は、妄想どころじゃなかった。
その名を。
彼の名を聞いた私は叫んでいた。
「ギャーギャー騒ぐんじゃないわよ! はぁ。これだからアンタは」
「や、やだ。私無理。ふたりのオトコを手玉に取るなんて……? せ、世界平和♡」
「あ”? ぶん殴るわよォ」
「は、はんたーい! 暴力はんたーい!」
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