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サイン会帰りだから、メイクはそのままだけど──楽な私服に着替えてここに来ちゃったし。なんでこんな日に限って……え、えっと。どうしよう、心の準備だってできてない。
「コ、ココロ落ち着くのよ…! 私はプロフェッショナル……!」
ここのブランドの、お出かけ用リラックスウェアだから、なんとかなるかな?
それならいっそ、衣装を着ていた方が──うん、それもだいぶおかしいね?
スタイリストさんが去り際に何か言っていたけど、耳にまったく入ってこなかった。
私がいる奥まったスペースからは、全ては見えないけれど。しばらくして、出入り口付近にスタッフさんが集まって来たなって思ったら、わぁっと賑やかな声がした。
ひとりその場に取り残された私は、気になって柱の影からこっそり覗くことにした。
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