Act.1 Love Bubble

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「初めまして、Dazzlingの──」 「こんにちは、この度はよろしくお願いします」  スタッフさん達に取り囲まれている、頭ひとつ分ぐらい背の高い、明るい髪の男の人と。そして、その横にもうひとり黒髪の…。   顔は見えなくても、わかるオーラ。  その周囲だけ、キラキラしたエフェクトでもかかっているみたい。    ──うわぁ、ホンモノだ!  一応、私は一緒に仕事をする立場なんだが? なんとかして心を落ち着かせようと、そう言い聞かせたけれど、効果なんてあるわけない。 「昼にこちら(日本)に到着したばかりなのに、申し訳ないです」 「いえいえ、慣れてますから全然」 「日本と韓国は時差もないですし」  笑い声に包まれた和やかな雰囲気の中「奥へどうぞ」って。スタッフさんにそう言われ、先導された彼らがこちらへ向かって歩いてくるのが見えた。    ひときわ長身の、ピンクがかったミルクティー色の髪。  かけていたサングラスを外すと、彫りの深い目元があらわになる。  そこから覗くのは、明るいヘーゼルの瞳。  彼の名前は、北嶋ノア。  Dazzlingのファンなら、誰だって知っている。  そしてその隣を歩くのは、ノアより少し背は低いけれど──アイドルの名に恥じない、小さな顔と長い手足の持ち主。  元の黒っぽい髪色を生かした、ナチュラルなヘアスタイル。  涼しげな目元と歩く度に揺れる前髪から覗く、キリッとした眉。  そして、スッと通った鼻筋。薄い唇は弧を描き、時折微笑んでいる。  ──あぁ、やっぱり。変わってない  彼の名前は、藤崎静琉。  胸の奥にずっとしまっていた、初恋の人。
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