Intro. What's your ETA?

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Intro. What's your ETA?

 午前6時、アイドルの朝は早い。 「今朝の ‘週末採れたてエンタメ’ のコーナーは、注目のアイドル! 叶ココロさんがゲストです」 「サーチ・アンド・デストロイ♡ ココロがあなたのハートを撃ち抜いちゃうぞ? おはようございまーす!」  眠い目を擦りながらテレビ局のスタジオに入った時は、まだ外は真っ暗。  早朝の情報番組のスタッフさんに番組の流れの説明を受けながら、控え室に直行。持参した使い回しの衣装に着替えると、ヘアメイクさんが慌ただしく部屋に入って来る。  17才の女子高生から、ソロアイドル・叶ココロに変身するする時間。  寝癖で爆発していたピンクブラウンの長い髪はツヤツヤのストレートヘアに。トレードマークの星の形のヘアピンもオン。寝起きの半目を見開いて引いたアイラインは跳ね気味で、チークとリップは透明感重視の血色メイク。  メイクを自分でやらなければいけない現場も多いのに、今日はプロにやってもらえてラッキー! トレンドとかテクニックとか、そういうことをもっと聞きたいけれど、そんな時間はなさそう。 「ココロさん、そろそろカメラチェックを。それから進行役(MC)とのトークですが……」  私の準備が終わるのを見計らったみたいに、控え室の扉をノックしたのは番組スタッフさん。一緒に生放送が始まる直前のスタジオへ向かった。 「本番10秒前……3、2、1、キュー!」  私の出番は、始まってわりとすぐ。   MCに名前を呼ばれ、私は生放送中のスタジオに足を踏み入れる。  朝から元気よく挨拶をして、口角を上げて。  カメラ目線でウインクをして、それから指ハートもばっちりキメる。  うん、出だしは悪くないんじゃないかな?
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