Act.1 Love Bubble

12/13

20人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
「こんにちは。えーと……バイトスタッフさん?」 「あっ、私。 今回ご一緒させていただきます叶ココロと申します! 足を引っ張らな……じゃない。精一杯がんばりますので、よろしくお願いします」  こちらから挨拶しなきゃ。そんなこと、わかっているのに。  やってきた彼らがまとう華やかなオーラに圧倒され、私は直立不動で固まってしまった。  先に声をかけてくれたのは、ノアさん。私も慌てて早口で返したけれど。  もしかしたら、私のことをスタッフだと思ってる……? 「え……あぁ。そうなの?」  察したスタッフさんが「彼女は今回の相手役のひとりです」ってノアさんに伝えると、彼は一瞬バツの悪そうな顔をした。けれど、すぐに気を取り直すと、ごめんね、と軽い調子で私に話しかけてきた。 「こっちこそ初めまして、ノアです。って、オレらのこと知ってたりする?」 「その、ハイ。ご活躍は常々!」 「なんかキミ、ちょっと変わってるね? まぁ、いいけど。てか、も挨拶しとけば?」 「……」  私なんかよりも、ずっと格上の。  世界を股にかけるっていうのは、大袈裟かもしれないけれど。  第一線で活躍するトップアイドルを目の前にして、私はすっかり縮まってしまいそうだった。  そんな私に助け舟を出してくれた……かどうかはわからないけれど。  ノアさんに急かされたが、一歩前に出ると口を開いた。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加