Interlude.1 ココロのむかしばなし

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 クラブ活動の日なら、音楽クラブの子達がこの準備室に出入りするけれど。私がここに来るのはそれがない日。だから誰にも見つかったことはないし、誰かとはちあわせしたこともない。  両面本棚の奥のエリア──こちらへ向かってくるコツコツという足音で、私はようやく誰かが入って来たことに気づいた。  先生なのか、同級生とかなのか。  誰だかわからないけれど、これはちょっとやばい…かも?  ──ど、どうしよう……えっと!  こっちに来て、いきなり私がいたら相手だってびっくりする。先生だったら怒られるかもしれないし。この部屋に入っちゃダメと言われたら、せっかく見つけた秘密の場所がなくなってしまう。  隠れる場所は分厚いカーテンの裏ぐらいしかない。何かあった時のことを考えて、すぐに隠れることができる場所にいつもいるなんて、私とっても賢い……なーんて、そんなこと思ってる場合じゃないよぉ!  近づいてくる足音に焦った私は、慌てて分厚いカーテンの裏側に隠れた。      しばらくして足音がピタッと止まった。  隠れている私からは見えないけれど、ガサガサと物音がする。カタン、と何かが開く音も聞こえてきて。それに続くように少しだけ耳障りなキキッという、椅子を引くみたいな音も聞こえた。  ♪〜〜  それから、ポーンと音が鳴った。  ──ピアノの音……? A()
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