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声の主と、バッチリ目が合った。
歌声と同じぐらい、きれいな顔をした男子だった。
サラサラの黒い髪に、吸い込まれそうな瞳。前髪から覗く、キリッとした眉。
焦ってしどろもどろになってしまった私は、名乗ることも名前を聞くこともできなかったけれど。
知ってる。
彼は隣のクラスのイケメンだ。
クラスが違うから、何回か廊下ですれ違ったことがあるぐらいだけど。
女子たちがみんな、キャーキャー騒いでいたから知っている。
「あっ、シズルくーん!」
「わぁ。超かっこいい! 好き!」
彼の名前は、藤崎静琉。
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