1.ルピナス視点*出逢い

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1.ルピナス視点*出逢い

幼き日の記憶。  太陽が登りきった時間、広い森の中で木の実を集めていた時だった。  真っ黒で小さい犬のようなモフモフ動物が、強そうな獣達に囲まれていた。 「あの子が危ない――」  手元に意識を集中させると私の手元が輝きだし、色とりどりの花達が出てくる。まだ量が足りない。 ――お願い、花達よ。私に協力して。  願うと花達は更に増えてきた。  ありがとう。と心の中でお礼を言う。  全集中して、花達をモフモフに向けて放った。  睡眠成分が含む花達を放ったから野獣達は眠った。囲まれていたモフモフも。そのままモフモフを花で包み、浮き上がらせ、私の元へ来るよう花にお願いをする。  シュルルと花達がモフモフを運んできてくれた。  私はその子を優しく抱っこした。  それから数日間、ご飯を食べさせたりしていた。けれども朝目覚めると、一緒に同じベッドで眠っていたモフモフは跡形もなく消えていた――。  
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