芳月千蔭

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「……ねえ、先生ってほんとに彼女いないの? だったら私、立候補しちゃおっかな」 「あっ、ずるい早希(さき)。だったら私も!」 「……ありがとう、坂上(さかがみ)さん、高原(たかはら)さん。でも、君達には僕なんかよりもっと素敵な人が相応(ふさわ)しいよ」 「いやいや、先生みたいな素敵な人なんて他に――」  それから、数時間経て。  放課後にて、相も変わらず数多の生徒に囲まれている芳月(ほうづき)先生。いつも思うけど、ほんと大変そう。ここからも、まだいろいろと仕事があるのに。  ……まあ、とは言え心配したって仕方ないけど。私が仕事を代わってあげられるわけでもないし、仮に代行(そう)できたとしても、まず彼自身がそれを望まないだろうし。
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