芳月千蔭

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芳月千蔭

「……と、このように星の明るさは、距離の二乗に反比例するため――」  茹だるような暑さも少しばかり和らいできた、ある秋の日のこと。  県内随一の進学校、泉遥(せんよう)高校――その三階に在する、二年一組の教室にて。  三限目、壇上にて滔々と話すのは丸眼鏡の似合う秀麗な男性。彼は芳月(ほうづき)千蔭(ちかげ)――その類稀なる容姿と温和な性格からか、学年問わず絶大な人気を誇る我らが担任教師で。      
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