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大山巡査部長が、飲みに行く店は、いつも決まっている。
銀座の隅にある、『小さなしあわせ』という、こじんまりとしたクラブだ。
銀座のクラブとは、思えないアットホームな 店で、ママは、ふっくらとした風貌の優しい中年女性だ。
ホステスも、二人しかいない。
一人は、心美というグラマラスな美人で、もう一人は、ランというショートカットのボーイッシュな女性だ。
二人とも、とても気立てが良く、話しやすい。
俺は、酒が苦手だが、この店に来るのは、嫌ではなかった。
俺と大山巡査部長が、店に入ると、ママが笑顔で、出迎えてくれた。
「まあ、今日は、岩佐さんもいらしてくださったのね! 嬉しいわ」
心美さんとランさんも、口を揃えて、言った。
「やったー! 岩佐さんが来てくれた!」
俺は、二人に、異様に気に入られている。
心美さんが、言った。
「前から思ってたんだけど、岩佐さんって、坂口憲二に似てるわよね!」
それを聞いた、ランさんが反論した。
「いやー、坂口憲二というより、鈴木亮平だよ!」
とにかく、俺は、自分では分からないが、ゴツいタイプのイケメンらしい。
ママが、それを笑いながら聞いていたが、奥の方を見て、言った。
「あのね、大山さん、岩佐さん、今日から新しい子が入ったの。しおりちゃんっていう、この仕事は初めての女の子よ。しおりちゃん、いらっしゃい」
ママに、呼ばれて、若い女性が来て、俺たちに挨拶した。
「しおりです。よろしくお願いします、、」
と、言った時、俺と目があった。
ちょっと、おさないくんに顔立ちが似ている可愛い子だった。
しかし、そのしおりちゃんは、俺を見た途端、酷く驚いて、いきなり土下座した!
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