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拝啓君へ
…ねえ、2025年の1月に地球という惑星がなくなるんだって。そのせいか私の周りの皆はまるで生きる意味なんか見いだしていない。それに噂によると政治家やその他のお偉いさんだけ地球から脱出できる方法があるらしいよ。あくまで噂だけど。それが本当なら最低だよね。…でもさ!驚いたよ地球を飲み込んじゃうぐらい黒く固まったゼリーみたいな物が宇宙に存在してたなんて。初めて知ったときはびっくりしたなあ。あ!ねえ、もし地球がなくなる1日前になにする?まあ本当になくなるけど笑。私は君と会いたいなあ。…あ!いま閃いた!ほんとにゼリー状なら覆い被さるだけで食べることはないんじゃない?もしそうなら嬉しいんだけど笑。でも、それよりも私はすっごく嬉しいことがある。それは君がこの手紙を見つけたこと。それってつまりこの地球がなくならなかった証拠じゃん!。私は君に会いたい。まあ、顔も何も知らないけど。もし手紙を受け取ったら次はあなたの番だからね!!ちなみに私の名前はーーー。
2025年1月1日
本当に地球は黒いゼリー状の物に蝕まれ跡形もなくきえた。ならなぜこの手紙だけは残っていたのか、知ることすら黒く染まり、消えた地球ではなにも出来なかった。
2100年1月1日
地球に住む人類が滅亡を遂げてから数十年、黒く染まった塊から新たに生命が誕生した、その子は生まれて数日もたたない内に、大人になった。
そしてその子は黒く覆われた塊の中で繰り返し手紙を書く。
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