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超ワクワク企画
「みんなでとわ湖一周楽しいな」計画 、略して…『みとな』計画。わざわざ計画名まで凝ってしまう程のワクワク企画が持ち上がったのは、高校最後の夏のことだった。発案者はミウ。彼女と三国は幼馴染だったが、高校生になると学校が三人共バラバラになってしまう。それでもバイト先が同じだったので、俺たちの関係はさほど変わりなく続いていた。ミウは、三国と俺がアコースティックギターの弾き語りでストリートライブをしようと目論んでいるのを知って、ふと思いついたのだそうだ。彼女の突飛な思いつきはいつも俺たちをワクワクさせてくれるのだが、今回のは極上中の極上だった。
そのみとな計画の概要はざっと以下のようなのものになる。
◎決行時期は高校最後の夏休み、八月初旬
◎アコースティックギターを背負いながら、自転車を漕いで永遠湖を一周すること
◎財布の持参は認められない(無一文)。食費等はストリートライブでの稼ぎで贖うこと
◎飛ばせば一日で一周することは可能だが、あえて二泊三日かけて一周すること(野宿前提)
立案者のミウはあくまで計画を思いついただけで、参加する気はないとのことだった。それもそうだ、こんなサバイバルに女性は巻き込めまい。
三国と俺は地元の駅前でストリートライブをやってみようと、アコースティックギターを片手に曲の練習を始めたばかりだった。ストリートライブをしようと思うだけでもワクワクして仕方がなかったのに、みとな計画はそのワクワク感を更に倍増させる威力を内包していた。あとひと月もすれば夏休みがやってくる。まだストリートライブ経験のない俺たちは練習のペースを加速させた。何曲か演奏できないと稼ぐことなんてできるわけがない。永遠湖一周中、野垂れ死ぬのだけはごめんだ。
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