体育祭

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次の日、3時間目。 「では、今から組ごとに並び替えをする。右から赤、白、緑、黄、青の順で並んでもらう。並び方は自由でいい。はい、開始」 学年主任はそう言うと、パンッと手を叩く。 それを合図に私たちは移動する。 青のところまで行くと、途中女子たちの黄色い声が聞こえてきた。 「やった。蓮と一緒!」 「碧。よろしくね」 「ねぇ、てか、私たちの組最高すぎない?蓮と碧が同じとか!」 全て藤堂と薺に関することだった。 声でかいな、と思う。 どこから出るんだと感心していたら、いつの間にか全員移動を終えていた。 「よし、移動終わったな。それじゃあ、各組みのクラス委員長で一番数字の小さい者が紙を取りにきなさい」 学年主任の指示に従い、5人の委員長が前にいき紙と鉛筆を受け取る。 「それじゃあ、係決め各自で始めろ。終わったら、全員の名前を記入してから紙を持ってこい」 そう言われ、各自組みごとに係決めをするが、その前に輪になって話さないといけないため、組みごとに前後になってぶつからないように輪を作る。 「えっと、とりあえず俺が進行役でいいかな?」 紙を取りにいった2組の委員長、前園輝(まえぞのあきら)が言う。 「いいよ」と誰かが言う。 誰も反対する理由がないので、全員頷く。
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