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「ねぇ、じいちゃん」
「なんじゃ」
「来月、体育祭あるじゃん」
「あるな」
「私、応援団やって欲しいって頼まれた」
「そうか。頑張れよ」
「うん……ん?やっていいの?」
駄目と言われると思ってたので驚きを隠せない。
「もちろんじゃ。やりたいならやればいい。なぜ、ワシの許可がいる?」
「え……だって、放課後練習があって稽古の手伝いできないよ。わたし」
「そんなことわかっとるわい。別にワシ1人でも問題はない。もちろん。体育祭が終わったらその分働いてもらうがな」
「……」
やっぱりやめようかな、と応援団をやりたくなくなる。
「頑張れよ」
じいちゃんは嬉しそうに笑う。
「まだ、決まってないけどね。明日のじゃんけんに勝たないとできないし」
「なに!?そうなのか!?」
「うん。そう」
じいちゃんに期待されたら応えたいと思う。
でも、これ以上面倒なことは嫌だし。
未だに応援団をやりたいのか、やりたくないのか、はっきりしないまま、こればっかりは天しだいだな、と他人事のように感じながら、残り一枠をかけてじゃんけんする。
「最初はグー。じゃんけんポン」
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