体育祭

18/29
前へ
/124ページ
次へ
同じ頃の赤組。 「蓮。係何になった?俺はもちろん応援団!」 蒼は真反対にいる赤組のところまでいき、わざわざ自慢しにいく。 「……俺も応援団」 藤堂は嫌な顔をしながら言う。 「えっ!?本当に?」 蒼は驚く。 藤堂の性格上、応援団なんてやるなんてありえないと知っているから。 「ああ」 「そうか。でも、なんで応援団やることになったんだ?」 「女子たちが勝手に決めた」 嫌と言っても無駄だった。 女子の圧に負け、男子は誰も応援団をやりたいと言わず、最終的に多数決で決められた。 「あ〜、なるほどな」 蒼はすぐに赤組がどうやって係決めをしたのかわかった。 自分は青組で前園が進行役で良かったと本気で思う。 もし、赤組だったら応援団になれてなかったかもしれない。 「涼介は?」 蒼は今きた緑組の涼介に尋ねる。 「俺は記録係」 パネルの数字を変えるだけの係で簡単だし、何より最初にどこが優勝したか知れる係だ。 「てかさ、一つ気になったんだけどさ、女子が応援団決めたってことは碧も応援団なのか?」 赤組は藤堂と薺モテ男2人が一緒になって大盛り上がりしている。 一緒になれた女子たちはさらに盛り上がっている。 「ああ、無理矢理やられてたな」 あいつも途中で諦めてたな、とさっきのことを思い出す。
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加