体育祭

19/29
前へ
/124ページ
次へ
「今年は何かと驚くことが多いな。蓮と碧が応援団になったのもだし。でも一番はやっぱり、あの桜庭さんが応援団になったことだよな」 蒼はうんうん、と頷きながら言う。 「え?桜庭さんって、あの桜庭さん?」 涼介は信じられない顔をする。 一昨日、3年の先輩からの誘いを断って聞いてたし聞き間違いかと思い聞き返す。 「そう。あの桜庭さん。意外だったよ。絶対やらないと思ってたのに……蓮?どうかしたか?」 「あ、いや、なんでもない」 'そうなんだ。桜庭、応援団やるんだ。似合うだろうな' 藤堂は巴の学ラン姿を想像する。 「そうか?なら、いいけど。それにしても、桜庭さんの学ラン似合うと思わないか?」 「思う」 蒼の問いかけに涼介は即答する。 「だよな。男の俺より似合いそうだよ」 「そうだな」 冗談で言ったのに涼介に否定されずに「おい」とツッコミをする。 「それにしても、今年の応援団の演舞は盛り上がりそうだよな。2人とも頑張れよ。応援してるからさ」 「ああ」 「もちろん。任せとけ」
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加