体育祭

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昼休み。 「応援団になったって本当か!?」 教室に戻り、丁度4時間目の授業の終了を知らせるチャイムがなって、1分も経たないうちに菖蒲が勢いよく教室に入ってきた。 「あ、はい」 '情報回るのはやくない?' そう思いながら返事をする。 「ありがとう。本当にありがとう」 菖蒲は本当に嬉しいからか何度もお礼を言う。 少しして落ち着いたのか「でも、どうして心変わりしたんだ」と尋ねた。 「あー、それは……やってみたくなって」 本当のことは言わない方がいいと思い、誤魔化そうとしてそう言ったが、何故か理由が嘘っぽく聞こえる。 「……そうか。ありがとう」 菖蒲は理由を聞いてすぐに嘘だと気づく。 そして、女子たちが何か言ったから応援団になってくれたのだと推測する。 謝るのは違うと思い、礼を言うが、どうしても申し訳なく感じる。 「いえ、自分で決めたことですから。なので、来週からよろしくお願いします」 「ああ。こちらこそよろしく頼む」
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